特集シリーズ「今日も元気で」 2024年5月1日 vol.12

あなたらしさを応援する場所
〜「まんまのま」と「パワーアップ塾」〜

東地区のアパート2階。「まんまのま」の𠮷田さんが、いつもの笑顔で迎えてくれます。隣室の「パワーアップ塾」では勉強する子どもたちの姿も。みんな違って当たり前。不思議と再訪したくなる、とっても敷居の低い地域の居場所です。

昭和感漂うアパートで

東福祉館の近く、元表具屋さんのアパート2階に「セカンドホーム まんまのま」と無料塾「パワーアップ塾」がある。昭和の雰囲気が漂う落ち着いた空間だ。

階段をあがると2階に六畳一間の部屋が3つある

以前は学生が下宿していたというこの部屋が、東地区の新たな居場所として賑わいはじめている。

「若い人たちが活発に部屋を使ってくれてありがたい」と大家の元表具屋・飯村 友一さん(真ん中)

ありのままの自分で

セカンドホーム「まんまのま」の𠮷田 了介さん

「まんまのま」の𠮷田 了介さんは、デザインの仕事の傍ら、創作活動や訪問ヘルパー、小児病棟ボランティアなどの経験を重ねてきた。じつは子どもの頃は内向的で家の外では一言も話さなかったという𠮷田さん。

一歩を踏み出し、演劇やダンスなどの人前での表現やアート活動、ケアリングクラウン(癒やしの道化師)を学び、様々な交流をしていくと、次第に「繋がり」の大切さを実感していったという。

「うまくいかないこともあるけど人は繋がれる。ほんのひとときでも楽しい時間を共に過ごして、本音を語り合えるようなそんな場所が出来ないか、小さな事でもいいから何か自分に出来ることがあるのでは? と居場所づくりを始めました。」

2021年に「まんまのま」の活動を開始し国立市社会福祉協議会の「まごころサロン」に登録、2022年から本格的に妻で元保育士の文子さんと一緒に育休中の母子たちと乳児親子交流会を開催するなど子育て支援活動も開始した。

さらに、親が病気で参加できない子どもの卒園式に送迎と見守りの代行をしたり、子どもが入院中で小学校の入園式に参列できない時に代行参列して通信端末で学校と病院をつないでのオンライン参加を実現するなど親と連携をとって子どもたちにとっての大切な人生の節目の応援もしてきた。

「居場所とは単なる場所ではありません。想いを置く心の拠り所。「まんまのま」という名前は、「まんま」ご飯、 「まま」母親、「そのまんま」ありのままという意味でつけました。 来る人が気兼ねなくありのままの自分で居られる場所がつくれたらと思っています。」

ボードゲーム交流会の様子

当初はボードゲーム交流会からスタート。初対面の10代から 70代までの幅広い世代が和気あいあいと楽しんだ。コタツを囲む距離感がちょうどよく、不思議と気持ちが和らぐのだろう。

ほかにもパソコンデザインスキル勉強会(同地区の居場所・ペンギンサロン発行の地域情報誌「東くにっこ通信」の制作を手掛けている)や無料喫茶、手作り食事交流会、地域の施設や公園での子育て応援交流会、16ミリフィルム映画上映会などを開催してきた。訪れる人たちの興味やしたいことにしたがって、居場所づくりのための模索を続けている。

小さな目標を少しずつ

無料塾「パワーアップ塾」の木村 友昭さん

隣室で「パワーアップ塾」を開く木村 友昭さん。開塾のきっかけは、妻の難病に向き合うなかで支援の大切さを実感したことだという。都心で不動産業を営んでいたが、40歳の節目で一旦会社を整理し、福祉の道に入ろうと決心。

経験のあった学習支援を軸にして、一般社団法人「日本学習支援協会」を立ち上げ、2023年から縁のあった国立市で本格的に無料塾の活動を始めた。

パワーアップ塾は、学習補講をメインにした、静かに自分のペースで学習を進めたい人のための塾だ。主に経済的・家庭的な事情、発達や学習障害、不登校などで学習の遅れに困っている小中高生を支援する。

「いつも頑張らなくたっていい。ここに来た時だけパワーアップした感覚になってくれれば」と木村さん。

塾まで来られない人にはオンラインでの支援も行う

なかでも大切にしているのは、小さな目標を一緒に考えて少しずつ進んでいくことだという。

「昨年度は腹痛などが原因で不登校気味になり学習についていけず困っていた中学生が来てくれました。一緒に話しながら目標を決め、まずはここに来ることを最初のステップに。心や身体の状態を親御さんもよく理解してくれて、徐々に塾へ通えるようになりました。今は段々と学校にも行けるようになったそうです。」

そして、「子どもたちをサポートするために、家庭そのものを守りたい。保護者の負担を少しでも減らせたら」と、学習後には温かいご飯とお弁当を提供する。

子どもたちに地域のお店のお弁当を提供。食材の寄付も受け付けている

週5日間の予定はびっしりで、現在は対面・オンライン含めて14名が通う。入塾の問い合わせが多いので、今後は拠点を増やして開催していく予定だ。

それに伴い、運営面のボランティアスタッフも常時募集している。木村さん自身も「子どもたちと向き合うために」と社会福祉士や心理カウンセラーの勉強をして専門スキルを磨いている。

東地区にできた「まんまのま」と「パワーアップ塾」。
あなたらしさを応援する場所が、ここにあります。

セカンドホーム「まんまのま」

活動の予定はホームページをご覧ください。ご要望などメールや電話にてお気軽にお寄せください。

国立市東3-19-14 飯村アパート203
不定期開催(ご要望も受付)
042-571-2732
twnet@festa.ocn.ne.jp
【ホームページ】http://bdweb.jp/manmanoma/

学習支援・食支援「パワーアップ塾」

6~18歳対象。学校や学習塾に通うことが難しい方、ご相談ください。

①国立市東3-19-14 飯村アパート201 ②国立市北2-19-1北福祉館
①毎週月〜金曜日 15:30〜18:30 ②毎週火曜日 18:00〜20:00
nichigakukai@yahoo.co.jp
080-7354-4192
【ホームページ】https://www.powerup19.com/
無料塾「パワーアップ塾」のX(旧Twitter)のアイコン画像(旧Twitter) @nichigakukai

国立市の子どもの居場所づくり事業・子どもの食応援事業の情報はこちら をご覧ください。

ボランティアってなんだろう?

取材陣にふと浮かんだ疑問、「そもそもボランティアってなんだろう?」。その形を探るべく、取材した方々に「あなたにとってボランティアとはなんですか?」と質問させていただいた。もちろん答えは、百人百様。

Q.あなたにとってボランティアとは?

𠮷田 了介さん
「僕にとっては元気の源。自分が楽しくないとね。」
「あまり気にせず息を吸うようにやっています。」
木村 友昭さん

ボランティアに関心のあるかたはこちら

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国立市ボランティアセンター
電話:042-575-3223
メール:kvc@kunitachi-csw.tokyo

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